● (仮称)川越の家 プロジェクト その1              その2へ >>

敷地概要:

都市近郊(埼玉県川越市)に昭和50年に開発された 22区画(一区画約110u程度) からなる開発地に位置する。 街区は駅前から続くけやき並木に隣接する。(駅より徒歩7分)  敷地の前面道路は通過交通がなく、静かな良好な環境にある。 現在、開発時に一斉に建てられた木造2階建住宅群(概ね床面積75u程度)の建替えが進んでおり、 容積をフルに使った3階建住宅が混在する街並みが形成されつつある。 敷地は第二種住居地域内にあり、建蔽率60%、容積率160%、 南東側の前面道路(幅4m)へ接道する。

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設計条件:

1.家族構成の変化(夫婦二人、子育て、親世代との同居等)に対応した規模と可変性を
  持たせる事。
2.植栽・家庭菜園等のガーデニングを楽しめる事。
3.敷地内に車2台分の駐車スペースを設ける事。雨に濡れない工夫をする事。
  (内最低1台分はビルトインタイプを考慮する事。)
4.和室、縁側、土間といった”和”の要素を設ける事。引戸を多く用いて光・風の量を調整可能と
  する事。
5.夏涼しく、冬は暖かい家となる工夫をする事。
6.楽器演奏、音楽鑑賞の可能な仕様とする事。
7.浴室からの眺め(植栽等)考慮する事。
8. 耐震性能・コストをよく検討する事。



昇り降りと日照のスタディ:身体と太陽

家族構成の変化に対応しうるボリューム、2台分の駐車スペース、そして建築規制と敷地の大きさを考え併せると2層半、 若しくは3層分の必要床が想定される。すなわち、(当たり前ではあるが、、)敷地内において昇り降りする、という身体の動きが必ず発生する。 また、2階建てから3階建てへと建て替えが進み、隣地の建物に囲まれるような環境において、ガーデニングが楽しめ、安定した内部気候(夏涼しく冬暖かい) 良好な住環境を達成する事は太陽の動きとの繋がりを築く事が不可欠である。故に、身体の動きと太陽の動きの繋ぎ方、これを探る事がこのスタディの狙いである。

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繋がりを生む”種(たね)”のスタディ:回転とずれ

先のスタディを踏まえた上で、鉄骨造を想定し(屋上緑化の注意点としてシロアリ対策があげられるため)、 継ぎ手角度の自由度を用い、エコノミカルな合理性(外形においては90度と135度のみ)を持つ基本モジュールを作成する。 約8畳程度の大きさとなる正方形を二つ縦に並べ、反時計回りに45度回転させる。その左右に同じ正方形を対角線にて二分割した三角形を配置する。  長方形の敷地の3辺に対し、仕上面から隣地境界まで、それぞれ約70cm程度の空きが取れるように想定し、基準となる正方形の大きさを逆算して決定。  基本モジュールとなる正方形は3.5m角となった。

45度の隅切りが行われる事によって敷地の前後左右に空きが設けられ、敷地内の建物、及び、隣地の建物に対しても良好な通風、採光が可能となる。
(続きは図面にて、、、)

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