● 毛呂山(もろやま)の離れ

郊外の大規模な造成地に建つ二間四方の離れ。隣接する二区画の分譲地の一つに既設の母屋、隣地に離れを計画。 離れの用途は高校生のご長男の生活、勉強のスペース、及び、ご長男の飼っている3匹のネコのスペース。  階段付きのロフト、便所、洗面を有し、将来水廻りを増築して単独世帯として使う事を考慮。

建物所在地:埼玉県入間郡毛呂山町
建物概要:木造平屋建て、延べ面積:13.25u、建築面積:13.25u
工事費:約350万円(電気設備等含む、設計料別途)
施工者:株式会社比留間建工

設計コンセプトは ”建物が出来る事で互いに(敷地の内も外も)良くなる事。” 建物前後左右に空地を設け、離れ、隣家、双方の採光、通風を考慮。  母屋を含み一体で計画された分譲地建物に共通する形態(片流れ屋根等)、外壁の色彩、サッシュや雨樋の色等を離れに引用する事によって周辺景観と繋がり、かつ、配置における 計画建物の回転(周辺建物に対して二寸勾配<=11度程度>の振れ)により、活き活きとした(animated)街並みの形成を図った。

内装においては、柱、梁、地廻等、及び屋根の垂木を内装あらわしとする事で木材の持つ独特の力強さとリズミックなデザインの両立を図った。 ロフトの床には杉材を用いることで、柔らかで温かみのある肌触りと、杉の匂いを楽しめる寛ぎの場を造り出した。 また、ロフト部分で目線に近いあらわし部分となる構造材の母屋は天然乾燥材を用い、自然な色合いを楽しめるよう考慮。 (内装を全て木仕上げとしたのはネコの爪とぎを考慮したお施主さんからの要望でもある。)

下図は埼玉県産木材住宅コンクールに応募した際に”森を内包する街”というテーマで本計画をまとめたもの。 (全応募30作品中14作が選ばれた一次審査は通過。最終入選は得られず。)

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